カテゴリ:小説( 32 )
完全恋愛
牧薩次著「完全恋愛」を読む。
08年の各種ミステリランキングで軒並みベストテン入りしていた小説であります。
ちなみに著者は有名な作家でありますが、アナグラムでこの名前にしています。
ミステリファンならよく知られているらしい。
この著者名も、ただ単に過去アナグラムで作った名前を使っているというわけではない。

感想。
ミステリの謎解きは最初っから放棄しているオイラであります。
作者からの挑戦みたいなのがあるミステリ小説がありますが、チャレンジしたことさえありません。
が。
なぜか今作のメイン?の謎というかポイントが、読んでてすぐにわかってしまったんですよ。
終わりのほうを先に読んでしまった、とかではなくって。
だから、最後の最後で大感動となるべきところ、全く反応できませんでした。

それ以外の、謎とかトリックとかは、面白かったんですけど。
戦後最大級の事件を絡ませるあたりは、巧いというか、これを持ってくるか、と。
ここらへんは、力技ではありますが、さすがであります。

でも、やっぱり最後の大ネタがなあ・・・。
タイトルに「完全恋愛」と持ってきた意味がないぢゃん。
なんで、今回に限ってわかってしまったんだろ、オイラ。

うまく引っ掛けられた方は、最後の最後でとんでもないカタルシスを得られたんだろうなあ、と羨ましいっす。
これから読まれる方は、素直に読みましょう。
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by ian-70 | 2009-01-19 15:32 | 小説
銀河英雄伝説
創元SF文庫版にて、全10巻を読了。
長かった。
最後の方はもう義務感というか、意地で読んでましたな。

評論家の北上次郎氏は最終巻の解説でも大絶賛してますし。
その他、色々な評論家・作家のも絶賛されていますが。
個人的には、どーかなあ、という感じ。

キャラクターが全く受け付けられない。
ほとんど全ての登場人物がダメでした。
ヤンもラインハルトもダメ。
ユリアンなんて、どーにかして戦死してくれないか、と思ってました。
ファンの人、申し訳ないっす。

ストーリー自体は、楽しめました。
主要登場人物のキルヒアイスをさっさと死なせちゃうし、主役の一人、ヤンも途中で死なせた。
なかなか出来ることではないと思うんだけど、やってのけた。
そこは素晴らしい。

ウケるのも非常によくわかるんだけど、オイラとの相性が悪かったです。
創元SF文庫に入らなかったら、読んでなかったと思う。
損したとは思わないが、個人的ベストランキングには入らないっすね。
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by ian-70 | 2008-09-01 09:59 | 小説
北方「水滸伝」読了
つーことで、北方謙三の「水滸伝」読了。
全19巻っすよ。
文庫が毎月1巻づつ刊行なんだから、そんなに疲労するはずはないのだけれど、読み終えた時はドッと疲れが出たような。

散々書かれてることだけど、水滸伝をキチンと一つのストーリー、しかも革命を目指すというストーリーに構築する力業。
これはすごいっす。
あと、闇塩という経済や青蓮寺という情報組織を作り出し、ストーリーの大きな柱とするなんて、よく思いつくもんだと感心します。
評論家の北上次郎氏が日本大衆文学の最高峰とまで評するのは、わからなくもない。
最終盤での童貫元帥との戦闘シーンなんてすっごい盛り上がります。

ただ、楊令の存在が引っかかる。
いや、革命が引き継がれるという事に文句をつける気はないのだが。
個人的に、「運命づけられたヒーロー」というのが苦手なのだ。
物語の盛り上がりには、こういうキャラクターは必要なんだろうけれど。

続編の「楊令伝」が、そんなオイラの好みなんかを吹っ飛ばすような作品であることを望む。
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by ian-70 | 2008-04-22 10:03 | 小説
解説
北方謙三氏の「水滸伝」が文庫化されてまして。
集英社文庫から月に1回刊行。
全部で19巻の予定で最新刊が16巻。
既刊は全巻読んでます。
あと、3巻っすか。
なんか、もったいないなあ。
でも、続編の「楊令伝」があるか・・・。

それはそれとして。

大抵の文庫本には、小説のあとに解説がついている。
評論家だったり、小説家だったり、著名な人物によるもの、というのが相場。
この「水滸伝」でも、作家や評論家、学者などなど錚々たる人たちが書いている。
で、この16巻にも解説がついているのだが。
書き手が、吉川晃司。
なぜか、吉川晃司。
ロックン・ローラー、吉川晃司。
ここで、すでに、読者のオイラの頭の上には、「?」が浮かんでいるのだが。

解説の文章を読んで、さらに混乱する。
なんつーか、ブッ飛んでます。
なんかクスリでもやった状態で口述したものを、なんとか文章化したような。
ま、ロックン・ローラー、吉川晃司、ですから。

この、ある種、異様な文章を読むだけでも、北方謙三「水滸伝」16巻は買い、ですな(ウソ)。
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by ian-70 | 2008-01-19 19:10 | 小説
ハンニバル・ライジング
「ハンニバル・ライジング」を読む。
タイトルからわかるように、「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」でおなじみ、ハンニバル・レクターシリーズの最新刊。

これまでのシリーズは全部読んでるんで、今作も読まないわけにはいかないっしょ。
つーても、内容はおぼろげにしか覚えてないっすけど。

今作は、帯にもあるように、いかにして「怪物」となったか、が主題であり、ハンニバルの幼少期というか青年期が舞台。
前作の「ハンニバル」で少しだけ触れられてたような記憶があるけれど。

で、感想なんっすけど。
オイラが、ハンニバルのどこに魅せられてたのか考えてみると、「わけのわからなさ」だろうと。
とんでもなく頭がいいのに、ほとんど理由らしい理由もなく、人を殺しちゃって、尚且つ、食っちゃうという、わけのわからなさ。
そこがよかったのに。
今作では、人を殺しちゃうのに明確な理由があって、しかも、その理由がオイラみたいな凡人でもまことに理解しやすいという。
そりゃ、まずいだろう、と。
ハンニバルを凡人レベルに引き摺り下ろしちゃマズイ。

あと、ハンニバルに影響を与える紫夫人という人が出てくるのだが。
日本人の女性。
とーとつ過ぎねーか?

映画化前提でこの小説は書かれたと思われるのだが、ストーリーの都合良さもねえ。
いくらハンニバルが天才でも、10代ですよ。
そうそう相手を殺せるとは思えないんですが。

ひじょーにスピーディに読めますが、そんだけコクもないということでもあり。
もうちょっと、なんとかならなかったかなあ、と。
もったいないっす。

映画、見にいくのか?
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by ian-70 | 2007-04-15 20:14 | 小説
華麗なる一族(ネタバレ注意)
つーことで、山崎豊子著「華麗なる一族」3巻読了。
いやあ、面白かったっすよ。
書かれた時代もあるし、著者の資質もあるのだろうけれど、そんなに上手い文章という感じではないのだが。
それでも、グイグイ引きこまれていっちゃいました。

で、注意。
この後ネタばれしますので。
つか、文庫の下巻の裏表紙にあらすじが書いてあるのだが、それってモロにネタバレじゃん。

原作とドラマの最大の違い。
それは、主人公がキムタクではない、ということ。
つか、万俵鉄平ではなく、父親の大介が主役。

老練で野望家、且つ猜疑心と憎悪で一杯の企業家であるところの大介氏の悪役っぷりといったらねえ。
公家出身の奥さんと、才媛であるところの愛人と3Pしちゃったりとか。
贈賄やら、粉飾やらやってても、自身は手を汚さないとか。
挙句の果てに、阪神特殊鋼を倒産させ、それを利用して銀行合併に持ち込み、結果的に自分の長男鉄平を自殺に追い込むという無茶振り。

それだけでも、著者上手いなあと感心していたのだが。
息子の出生を疑いが、自殺によって晴れるというところまでは正直思いつかなかった。
(冷静に考えたら、息子の血液型を30数年間間違えたまま過ごしてきたってのは、有り得ないような気もするけれど)
銀行合併にしても、大介氏がしてやったりと思っているところを、その上をいく政治家・官僚がいたりと。

恐るべし、山崎豊子。

で、ここで、ドラマのことを考える。
キムタクに自殺させるの?
今のところ、主役を鉄平にしたぐらいで、ストーリーに大きな手は加えられていない。
でも、キムタクサイドとしたら、いかに悲劇であっても自殺で終わるわけにはいかないのでは?
原作は大ベストセラー作家。
TBSがジャニーズに屈するのかどうか。
それはそれで見物のような。
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by ian-70 | 2007-02-10 13:38 | 小説
華麗なる一族
ドラマの今シーズン一番の話題作?「華麗なる一族」ってのを、見てたりする。

阪神銀行創始者の肖像画の、あんまりな出来に衝撃を受けちゃったりしましたが。
やたらとセットとかにお金をかけてるそうですが、あの肖像画はどーなのよ?

これって原作の小説がめちゃめちゃ面白いという話を聞きまして。
文庫本買いに行きました。
さすがに本屋さんも気合が入ってるらしく、一番目立つところに平積みでドーン。
パッと見た感じ、けっこう売れてるっぽい。
ということで、手にとってみる。
この小説、文庫だと上・中・下と三巻なんですな。

で、なんと、上巻だけ、ない。

これが、キムタク効果なのか?とわけのわからない感情に一瞬なったのだが。

そんなわきゃーない。
大方、上巻だけとりあえず買ったって人が多くて、尚且つ、本屋さんなり出版社なりの見積もりが甘かったってところなんでしょう。
そのまま買わずに帰るのも悔しかったので、同じ山崎豊子の「沈まぬ太陽」全5巻をまとめて購入。

その後、駅にキップを買いに行く用事があり、そこで難なく「華麗なる一族」全三巻、購入できました。

なにやってんだ、おいら。
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by ian-70 | 2007-01-27 23:48 | 小説
狼花
新宿鮫シリーズの最新刊。
いちおー、このシリーズ全作は読んでいるのだが、全く内容を覚えていないというのはどーゆーことだ、オイラ?
ま、そんなの覚えていなくてもそれなりに読めたんで、そんなにこだわらなくてもいーのか。

で、読んだ感想。
大沢在昌って、ウマいねえ。

新宿鮫って、ある種のファンタジーというかおとぎ話であるわけで。
主人公が元キャリアでありながら、今は新宿で一匹狼の腕利き刑事。
しかも付き合ってる女が、ロックバンドのボーカルで、ロケットおっぱいの持ち主という。
そんなのマンガの主人公でも、最近はいねーよ。

そんな、フツーならリアリティの欠片もない人物を主人公としておいて、それでいてここまで読ませるなんて芸当は、作者の手腕としか言いようがない。
購入したその日のうちに読了しちゃったもんなあ。

でも、フト気が付くと、そんなに内容を覚えていないというのは如何なものか。
いや、読んでる最中は面白かったっていう記憶はあるのだが。

あと、新宿鮫ってノベルスってイメージがあったけれど。
ま、これもビジネスなんっすかね。
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by ian-70 | 2006-10-12 00:32 | 小説
びっくり館
びっくり館の殺人」を読む。
いつぞや読んだ、「神様ゲーム」と同じ、ミステリーランドという業書シリーズの一冊。
いちおー、子供向けということになってるけれど、メンツからして、どう考えてもマニア向け。

著者が綾辻行人氏。
新本格では有名な人なんだが、一冊しか読んだことがない。
デビュー作の「十角館の殺人」ってやつ。
しかも、読んだ記憶だけはあるが、内容を全く覚えていないという。

綾辻氏の一連の作品で「館」シリーズってのがあるらしく、同じ建築家によって建てられた館が舞台になってるんだそうな。
この作品もそう。
こういう子供向けとされてる業書に、著者の代表シリーズの一作をぶち込むとは、なかなか大胆。

で、感想。
新本格モノって、けっこう長くてめんどくさいというイメージがあったりするのだが、これに関しては子供向けということもあり、サクッと読めた。
個人的に謎解きをしながら読むということをしないので、真犯人にはけっこう驚かされました。

とはいうものの。
この話、びっくり館でなければいけないとう必然性は、あんまりないような。
あと、いろいろ風呂敷を広げた割には、思わせぶりに書いておくだけで、きちんと畳めてないような。
つか、多分、著者はたたむ気がないな。
(もしかして、これでたたんでる、のか?)
最後のシーンも、なあ。
シラけてしまったのは、オイラだけ?

悪くはないけれど、なんかしっくりこねーなあ、というのが正直な感想。
あんまり、波長は合わないような気がする。
著者の別の作品に手を出すべきか、ちょっと考えちゃうなあ。
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by ian-70 | 2006-05-05 23:43 | 小説
「このミス」2位
石持浅海「扉は閉ざされたまま」を読む。
「このミス」2位と腰巻がついてたから。

うーんと。
犯人にしても、探偵役にしても、感情移入しづらい。
意図して感情移入させないように描いているのか、それとも、こーゆー風にしか描けないのか。
こんな人が回りにいたら、すっげーヤだろうなあ。
探偵役が美人で知的という設定なんだが、知的というより、ただ単に性格が悪いんじゃないの。

動機について。
犯人も探偵役も(その他の登場人物も)、およそリアリティのない人物像なんで、動機にリアリティがなくても仕方がないっちゃないのだが。
やっぱり拍子抜けという感は否めず。
犯人がなんでそんなに熱い正義感を持ってるのか、わからないまま。

伏線で張ってある登場人物の共通点が関係してるんだろーなあ、とは、ぼんやり思いました。
そこのところ、唐突でけっこー浮いてたし。

倒叙式の醍醐味といえば、犯人と探偵役の丁々発止だと思うのだが、一方的にやられてるような。

値段に対して、この内容であるのなら、そんなに悪くはないのだ。
キヨスクで買って2時間の電車で読み終える新書として考えたなら。
多分、「このミス」2位という売り文句で期待しすぎたんだろう、と。

うーん、多分、ブックオフ行き。
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by ian-70 | 2006-02-27 11:59 | 小説